「但馬牛」こそ黒毛和牛の歴史のルーツ
世界でも絶賛されている黒毛和牛。
その98%が同じ祖先であると知っていますか?
何を隠そう、
その祖先の牛が今回ご紹介する「但馬牛」なのです!
但馬牛を語る、それは黒毛和牛の歴史そのものを語ることに等しい・・・。
ここではそんな歴史的な牛「但馬牛」を熱く語ります!
お取り寄せで入手できるおすすめの但馬牛通販店もご紹介しますね。
但馬牛とは
但馬牛は、家畜を指すときは「たじまうし」と呼び、
お肉になると「だじまぎゅう」と呼ばれます。
但馬牛の産地は、その名の通り兵庫県北部の但馬地方(養父市、美方郡など)です。
但馬地方では古くから牛の生産が盛んで、数々の優秀な黒毛和牛を産出している地域として知られています。
今現在では、兵庫県内全域の繁殖農家で生まれた牛が但馬牛とされています。
但馬地方は山間での農業が行われ、小さな農家が棚田で栽培することも多い地域でした。
小さな体で小回りがきき、丈夫で良く働く但馬牛は欠かせない存在だったのです。
但馬牛は、平安時代初期にはすでに「耕運にも、食用にも良し」と非常に名牛だったので、但馬で生産され、周辺の地域で取引されていました。
そして現在は、美味しい牛肉として人気です。
但馬牛の肉質は、やはり霜降り。
山で鍛えられたしなやかな筋肉に寒さから身を守るために細かい脂肪が入ったと言われています。
そして重要なポイントが、
但馬牛は数々の名ブランド牛の素牛であるということ!
そのブランド牛は、神戸牛、松阪牛、近江牛、三田牛などでどれも高級牛肉です。
更に、凄いのが、
全国の黒毛和牛の98%が但馬牛を祖先にもつという事実です。
より美味しい肉を求めて、日本各地の和牛の畜産農家が、但馬牛を買い付けて繁殖させていった結果ですね。
素牛「但馬牛」
さきほど出てきた言葉、素牛(もとうし)とは
肥育開始前の子牛のことです。
繁殖農家で生まれた子牛は月齢10ヶ月〜12ヶ月まで育成され、市場でセリにかけられます。この子牛のことを素牛といいます。
セリで買い付けられた素牛は、肥育農家で大きくされ各地のブランド牛として出荷されます。
高級和牛としていわずと知れた神戸牛も、松阪牛、近江牛、三田牛という名だたるブランド牛も、素牛は但馬牛で、但馬牛の子牛を購入して肥育して出荷されます。
そうです!
上記のブランド牛肉ぜ〜んぶ子供の頃は但馬牛です。
この中でも、特別なのが神戸牛なのですが、
但馬牛の中でも、厳しい規定をすべて満たした最も肉質の良い牛肉が、
「神戸牛」「KOBE BEEF」と表示されることが許されています。
なので、これらの牛肉が出荷されるときは、
「但馬牛である証明書」
と
「各地のブランド牛である証明書」
の両方が添付されて出荷されます。
和牛界のビックダディー田尻号の登場
黒毛和牛を語るうえで、絶対に触れずにはいられない伝説の但馬牛がいます。
それが田尻号です。
平成24年、あることが研究により明らかになりました。
全国の黒毛和牛の繁殖メス牛の99.9%が、ある一頭の但馬牛の雄牛「田尻号」の子孫だったのです!
田尻号は、1939年(昭和14年)、但馬牛の産地である兵庫県香美町小代の田尻松蔵さん宅に生まれました。
生まれて半年にして、種牛候補として認定され、その後、昭和29年に引退するまでに、
自然交配で1500余頭もの子牛を成したというスーパー種牛です。
田尻号は健康で肉質の遺伝力が素晴らしかったことで、その子牛や孫牛たちが飛騨、前沢、宮崎、佐賀など各地に引き取られ、今の黒毛和牛の肉質向上に貢献したのです!
日本各地どこで食べても、和牛が美味しいのは、田尻号のおかげだったんだと思うと、
何か感慨深いものがあります。
但馬牛の歴史
冒頭で、但馬牛は「平安時代にはすでに生産され取引されていた」と紹介しましたが、
但馬牛が最初に登場するのは、古事記(奈良時代)です。
「天日槍(あめのひぼこ)が朝鮮から牛を伴って日本に渡来し、但馬出石に
住み着いた」と記されたのが、最古の記録です。
その後の文献、続日本書紀(平安時代はじめ)には「但馬牛は、耕運、輓用、食用に適す。」という記録があります。
但馬牛は奈良時代〜平安時代には広く人々の生活になじんでいて、
この頃は、まだ牛肉が食べられていたのですね。
但馬牛の“育ての親”前田周作
江戸時代後期になると、但馬牛にとっての最重要人物である前田周作が登場します。
前田周作は但馬地方の小代区の小さな村の生まれ。
「良いメス牛からは良い牛が生まれる」ということを管理してゆく、但馬牛の系統管理を確立し、今も続く但馬牛の血統の礎を築いた人物です。
しかも、その良いメス牛はどんな大金で「売ってくれ!」と言われても決して売らず、
血統を外に出さなかったのでした。
するとどうなったのかというと、
「但馬の牛=良い牛」ということで、但馬牛は高値で飛ぶように売れて、山間の農村を潤しました。
今で言う、ブランディングですね。
まだ、西洋から科学も経済学も入って来ていない、江戸時代なのに!
しかも、山奥の小さな村で。
前田周作さん、尊敬します!
但馬牛存続の危機からの、起死回生!
1853年ペリー来航後からの開国。
これを期に来日した外国人が日本の牛の美味しさを絶賛し、牛肉人気が急上昇します。
そんな牛肉ブームの中で、外国産牛ホルスタインなどと交配が盛んに行われるようになり、
体は大きい個体は生まれましたが、だんだん、和牛としての品質が一定しなくなりました。
そんな時代の影響もあり、但馬牛も前田周作以降、2代目3代目と但馬牛の特徴は薄まって、
周作蔓(周作の優れたメスの血統集団)存続の危機が訪れます。
しかし、終戦後、再び優秀な但馬牛を取り戻そうという取り組みが始まります。
その中で、他の血統との交配の影響のない「周作蔓」のメス牛が4頭のみ発見されたのでした。
これは、奇跡のようですが、実は但馬地方が生んだ必然でした。
但馬地方特有の山奥に集落があるという特徴が、他の血統が入らなかった最大の理由なのです。
このときに見つかった、4頭を中心に但馬牛の新たな血統づくりが行われ、その血統があの伝説の雄牛「田尻号」を生み出すことになるのです。
牛肉通に人気の但馬牛のお味は?
今、私達が美味しくいただける黒毛和牛は、先人たちの努力によってもたらされた牛肉です。
歴史を知ると、黒毛和牛の料理がなおさら味わい深く感じます。
そんな黒毛和牛の中でも、不動の人気を誇るのが神戸牛!
そりゃそうです、肉質が最高な血統である但馬牛の中のエリートが神戸牛ブランドを名乗るのですから。
しかし、高級牛肉を食べつくしている食通の人の間では、あえて但馬牛を食べるのが通とされています。
それは、なぜなのでしょうか・・・
それは、但馬牛のサシのバランスが丁度良いから!
以下の表をご覧ください。
No.12がサシの率が最大、No.1は最少です。
表を見てみると、
神戸牛は確かにサシがたくさん入っていて、美味しい脂がじゅわ〜と溶け出しそうですよね。
それに引き換え、但馬牛はサシは控えめです。
しかし、肉の風味が香りやすいです。
通は、この肉の風味を楽しんでいるというわけです。
牛肉の旨味について
本来、牛肉の旨味は、何種類もの「アミノ酸」によりもたらされます。
アミノ酸が含まれるのは赤み部分です。
なので、肉の風味を楽しみたい場合は、あまりにもサシが多い牛肉はおすすめではありません。
とある老舗のすき焼き専門店では、脂の量は30%ぐらいが一番美味しいといいます。
よく耳にする等級でいうところの、A4(B4)とA5(B5)のあいだぐらいがベスト。
そんな但馬牛のおすすめ調理法は、
だんぜん炭火焼肉!!
サシが多い牛肉は、網焼きは燃え上がってしまいがちですが、
但馬牛は牛肉の風味が香ばしく、でも柔らかくて、とっても美味しいです。
但馬牛の厚切りステーキも人気です。
神戸牛よりリーズナブルなので、
厚切りもメニューにあるお店もけっこうあります。
たまには、贅沢に但馬牛の厚切りステーキなんて、
最高に幸せですよね。
実は神戸牛よりも但馬牛の通販がおすすめ?
但馬牛は、神戸牛と合わせると6000頭超えの出荷数がありますが、そのうち5000頭超が神戸ビーフ認定を受け、神戸牛とスタンプされて出荷されます。
但馬牛(たじまぎゅう)と出荷されるのは残りの1000頭あまり。
まるで、エリート街道からドロップアウトしちゃった感のある但馬牛ですが、
そんなことはありません!
むしろ、但馬牛の希少価値は高くなっています。
1000頭ほどしか出荷されないわけですから。
あえて、但馬牛を購入したい場合は、但馬牛を扱っている通販サイトを選ばないといけません。
ここからは、但馬牛を安心して購入できるおすすめの通販店をご紹介します!
但馬牛が買えるおすすめ牛肉通販
おすすめできる但馬牛の通販店 Pickup
「ミートマイチク」
お肉通販店おすすめランキング第1位は、ミートマイチク。
高級和牛を中心に200種類以上の品ぞろえのある大型通販ショップです。
リーズナブルなお肉から上級品まで、様々な価格帯の品揃えが充実しているのが特徴。
自宅用で予算をあまりかけたくないけど良いお肉が食べたい!という方や、コスパの良いギフトを探しているという方におすすめの通販店です。
おすすめ度 | |
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特徴 | 品揃え・コスパ◎ |
送料無料 | 10,800円以上 |
■価格帯の目安 (約2人前あたりの値段)
焼肉 | 2,925円〜6,250円 |
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ステーキ | 3,250円〜5,813円 |
すき焼き | 1,530円〜6,840円 |
おすすめできる但馬牛の通販店 Pickup
ミートマルシェ
ミートマルシェは、但馬の老舗肉問屋(株)オキノカンパニーが扱う厳選されたお肉をダイレクトに販売する通販ショップです。
名牛「但馬牛」をはじめ「但馬ポーク」厳選オージービーフを取り扱っています。
お肉の通販店のほとんどは冷凍肉の取扱いですが、ミートマルシェは注文を受けてから、お届け予定日の前日にカット。
冷蔵便で新鮮なお肉をお届け。
「安心・安全で美味しいお肉」にこだわりたい食通の方におすすめの通販ショップ。
一流料亭、ホテル等の料理人が認める品質のお肉をご家庭で味わうことができる通販店です。
おすすめ度 | |
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特徴 | 但馬牛と但馬ポークが主力商品 |
送料無料 | 5,000円以上 |
■価格帯の目安 (約2人前あたりの値段)
焼肉 | 4,000円〜6,375円 |
---|---|
ステーキ | 7,500円〜7,875円 |
すき焼き | 2,750円〜5,250円 |
おすすめできる但馬牛の通販店 Pickup
但馬牛はまだ
但馬ビーフはまだでは、自ら繁殖、肥育の二つの牧場を経営。
一貫生産のお肉屋さんです。
食べごろの牛を見極めて1頭ずつ出荷。
熟練した技でその牛肉をほどよく熟成させて商品にしています。
最高の環境と安全な飼料で、育てられた極上の但馬牛が通販で入手できます。
手作りの但馬牛コロッケなどのお惣菜メニューも多数。
おすすめ度 | |
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特徴 | 但馬牛専門店 |
送料無料 | - |
■価格帯の目安 (約2人前あたりの値段)
焼肉 | 1.625円〜3,000円 |
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ステーキ | 2,970円〜5,500円 |
すき焼き | 2,000円〜3,750円 |